【バンコクからアユタヤへ】ボロ列車で行く、ツアーでは味わえないアユタヤ旅行の魅力【ローカル鉄道】

バンコクからボロ列車で行く世界遺産アユタヤ遺跡までの道

タイの世界遺産と言えばアユタヤ遺跡が有名であり、旅行でバンコクを訪れる方はアユタヤまで足を延ばす人も多いだろう。

アユタヤは1351年にウートン王によって建都され、1767年まで417年間にわたって都として栄えたタイの古都である。

アユタヤには現在も数多くの遺跡が残っており、1991年には歴史公園としてユネスコ世界遺産にも登録された人気の観光地である。

アユタヤの遺跡群を歩いていると、朽ち果てた雰囲気がまるで異世界にいるような気分にさせてくれる。

そんな世界遺産アユタヤはバンコクから鉄道で1時間半~2時間程度で行くことが出来る。

アユタヤはバンコクからの旅行ツアーも多数組まれているためバスや車で向かう人が多い。

が、アユタヤ旅行の魅力はバンコクからの移動で既に始まっている。

アユタヤまでのローカル鉄道は、大都会バンコクから中部の田舎町まで街並みや風景、人々の変化を存分に楽しむ旅が出来る。

しかしツアーのバスや車で移動して高速道路ですっ飛ばしてしまっては、その魅力を十分に味わうことが出来ないので勿体なすぎる。

ツアーのバスや車移動では味わえない旅の魅力が、アユタヤのローカル鉄道の中にはある。

せっかくアユタヤに行くのであればローカル鉄道を利用して旅することをおすすめする。

バンコクからアユタヤまでローカル鉄道で行く旅の魅力

アユタヤ鉄道旅のはじまり

バンコクからアユタヤへの鉄道旅はフアランポーン駅から始まる。

フアランポーン駅はバンコク都パトゥムワン区にあるタイ国営鉄道の始発駅だ。

タイ国営鉄道の主要幹線4路線が出ており、アユタヤ方面の鉄道もこの駅から出発する。

バンコクからアユタヤまでは一日に32本もの列車が出ている。

アユタヤ行き列車の種類はOrdinary(普通)、Rapid(快速)、EXPRESS(エクスプレス)、SPECIAL EXPRESS(スペシャルエクスプレス)とあるが、ローカルな旅を楽しむためには断然Ordinary(普通)がおすすめ。

地元の人が最も利用するのが3等席(エアコン無)、料金は15バーツ(50円)と激安だ。

切符売場のあたりを歩いているとタクシーのチャーターを勧めてくる人や、「15バーツの列車はもう無いからこっちを買った方が良い!」と高い列車のチケットを勧めてくる人が寄ってくる。

しかし怪しい人ばかりなので全部スルーする。

窓口に行って「I ‘m going to go to ayuttaya now. Please a ticket of third class」と伝えれば15バーツの3等席を用意してくれる。

また、駅構内にあるインフォメーションでアユタヤ方面の時刻表をもらっておくと良いだろう。

時刻表を手に乗車すれば、アユタヤまで各駅の看板と照らし合わせながら現在地を確認出来るので安心だ。

アユタヤ行きチケットに記載されている列車を確認したらホームへと向かう。

ホームにいる駅員にチケットを見せれば該当の列車を教えてくれる。

日本の一般的な高床式プラットホームとは異なりフアランポーン駅は低床式だ。

列車に乗車する際は数段の段差を登って乗車する。

アユタヤ行きの3等車両は見るからにボロ車両で、オレンジの車体はサビが目立つ。

車両に入ると座席は対面式のボックスシートだった。

座り心地は申し訳程度のクッションといった感じだ。

ガランとした社内の天井には壊れた扇風機がぶら下がっている。

車内に日本人は誰もいない。

買い物帰りだろうか、大きな荷物をもったタイ人たちが乗り込んでくる。

出発まで座席に座って待つことにする。

車内はまだ空いている。

アナウンスもなく出発するボロ列車

定刻時間を過ぎると、車内アナウンスも特になく列車は静かに走り出した。

車内の席は半分以上が埋まっていた。

少し走るとバンコクの古い街並みの中を抜けていく。

沿線にはバロック小屋が軒を連ね、たくさんの洗濯物やゴミが目につく。

犬を追い回す子供や鳴り響くクラクション、生活感と喧騒が入り混じる景色と音が車窓から飛び込んでくる。

ゆっくりとした鉄道の走りに併せて時間の流れも穏やかに感じる。

アユタヤに向けた鉄道に乗っていると細かい事がどうでもよく感じてくる。

雑多な街並みを列車はガタガタと車体を揺らしながら走っていく。

同乗する列車の人々

バンコクの街を抜けると、アユタヤに向けて列車は徐々にスピードを上げていく。

車内の扇風機は壊れているので席の窓を開けることにする。

窓は手動の開閉式で、開けると東南アジア特有の湿っぽい風が吹き込んでくる。

目の前にはタイ人のおばあちゃんが座っておりタイ語で何か話しかけてくる。

何をしゃべっているのか言葉は分からないが「今からアユタヤに行くんです」と伝えると、嬉しそうに笑顔で頷いてくれる。

「そうかいそうかい、よく来たね。」とでも言っているのかと想像する。

途中の駅に到着する度に物売りの人が乗り込んできたり、窓から声をかけてきたりする。

出発前に飯を食べたばかりなので特に何も買わないが、見慣れない食べ物に興味を惹かれる。

アユタヤへ向かう道中のローカルな情緒が感じ取れる。

東南アジアを感じさせる風景

バンコクを出発して1時間程たっただろうか。

窓から外を眺めると、遠くまで大地が見渡せ景色がよい。

南国特有の木々が生い茂っている。

時刻は夕方にさしかかっており、夕日をバックにしたヤシの木々が美しい。

列車はカーブを走り、長い車両の先頭方面が目に映る。

私が乗っている車両は最後尾だが、前方にも多くの乗客が乗っているのだろう。

途中の駅に到着するたびに駅の看板と時刻表、時間を照らし合わせて確認する。

今のところ時間通りに走っているようだ。

駅のホームには昼寝をするおじいちゃんや、ボードゲームをして時間をつぶしている人、列車が動いているにも関わらず線路を横断する子どもたちがいた。

アユタヤへ到着

時刻表を確認するといよいよ次がアユタヤ駅のようだ。

列車は駅に近づくに連れスピードを落としていく。

列車がホームにつくとアユタヤ駅は思ったより小さな駅だった。

乗り降りする人はほとんどいない。

どうもおかしいので、駅の看板を見てみるとアユタヤとは違う名前が書いてあるように見える。

目の前のおばあちゃんに駅舎の方を指さし「アユタヤ?」と聞いてみる。

すると、違う違うと言わんばかりに手を振られる。

「アユタヤ」と言いながら進行方向を指しているので、アユタヤ駅はまだ先のようだ。

しかし時刻表通りならアユタヤ駅の順番であるはずなのに、時刻表に乗っていない駅なのだろうか。

アユタヤに行く際は間違わないように注意が必要だ。

列車は再び走り始め、数分すると今度は大きな駅に到着する。

看板にも間違いなく「アユタヤ」と書いてあるのが分かる。

目の前のおばあちゃんが駅舎を指さし、笑顔で「アユタヤ」と教えてくれる。

「コープンカー」とお礼を言い、バイバイと手を振って駅に降り立った。

アユタヤ鉄道旅の魅力まとめ

バンコクからアユタヤまでは鉄道で1時間半程度と短いものだが、その時間以上に旅風情を感じさせてくれた。

日本では乗ることが出来ないようなボロい列車や地元の人で賑わう駅に異国感を感じる。

移動する手段が発展した現在ではより早く目的地へ行くことが可能だが、道中の旅を楽しむ事を考えると鉄道に勝るものはないように感じる。

東南アジア有数の大都市バンコクからタイ中部の都市アユタヤまでの風景や人々の生活を車窓から眺めているだけで飽きることはない。

タイは日本人旅行者がとても多いが、アユタヤ行きの3等車に日本人を見かけることはなかたっため、異国感をより増してくれた。

アユタヤまで向かう間の車内の人々との交流も楽しい。

それが日本円にしてたったの50円程度で楽しめるのだから乗らない手はない。

アユタヤへ向かう際はぜひローカルな鉄道に乗ってみてほしいと思う。

きっとツアーとは違った一味違った旅が感じられるはずだ。

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